奄美に生まれ匠たちが継いでいく大切に守り続ける伝統美

大島紬はその着心地の良さもありますが、他にも、祖母・母・娘の三代に渡って受け継がれると言われるほどの丈夫な生地
そして流行に左右されない本物故の飽きの来ないデザインなど 選ばれる理由は数々。
大島紬は他の着物と一線を画す存在で、 着物ファンにとって一生に一度は手にしたいのが「本場奄美大島紬」

幾多の職人技が織りなす本物の黒

幾多の職人技が織りなす本物の黒

幾多の職人技が織りなす本物の黒

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奄美に生まれ匠たちが継いでいく大切に守り続ける伝統美

大島紬はその着心地の良さもありますが、他にも、祖母・母・娘の三代に渡って受け継がれると言われるほどの丈夫な生地
そして流行に左右されない本物故の飽きの来ないデザインなど 選ばれる理由は数々。
大島紬は他の着物と一線を画す存在で、 着物ファンにとって一生に一度は手にしたいのが「本場奄美大島紬」

大島紬のルーツ

技術の改善と発展を図りながら、今日も多くの方々に愛される大島紬の伝統が受け継がれています

大島紬の起源は定かではありませんが、養蚕の適地である奄美大島では古くから絹織物が作られていたようです。
染色は、本土で行われていた古代染色と同じ技法で、奄美に自生するテーチ木(てーちぎ 和名:車輪梅)やその他草木を使って行われており、これが現在の本場奄美大島紬のてーち木と泥による染色のルーツとされています。

大島紬の証明

大島紬を作る職人さんたちの技の集大成の証

本場奄美大島紬の製品は全て1反ごとに、産地表示のため、金茶色の地球のマークと朱色で「本場奄美大島」の文字が織込まれてあり、かつ地球印の登録商標と、経済産業大臣指定伝統的工芸品の伝統証紙が必ず貼られています。
また泥染には泥染証紙が、草木染めには草木泥染証紙が、別に貼られていて、本場奄美大島紬であることを証明しています。

大島紬の分類

■地色による分類
・泥大島 ・泥藍大島
・色大島 ・正藍大島紬
・白大島 ・草木泥染大島

■縦絣糸の密度による分類
・5マルキ
・7マルキ
・9マルキ
・12マルキ

※縦絣糸の本数の単位をマルキと呼びます。
1マルキ=80本を単位として 本数が多いほど(マルキが大きいほど)絣糸の 密度が高くなり、繊細で精密な柄になります。

本場奄美大島紬の制作工程


■ 図案制作の様子


■ 締加工の様子


■ テーチ木染めの様子


■ 加工の様子


■ 製織の様子

大島紬は数々の工程を経て、出来上がるまで半年から一年以上かかります。

①図案制作
デザインされた原図を方眼紙に描き写して、種別、糸の密度などに合わせて図案を作ります。
②糸繰り・整経
図案に基づき専用の台で必要な長さと本数の絹糸を揃えます。
③糊張り
「イギス」と呼ばれる海藻を鍋で煮て溶いた糊を棹に張り絹糸を均等につけて天日で十分に乾燥させ糸を一緒に固めます。
④締加工
締を使って複雑で細かな絣模様を作る大島紬独特の作業です。
⑤テーチ木染め
テーチ木の幹をチップ状にし、釜で煎じた液で絹糸を染めます。何度も液を替え繰り返し揉み込み染色することで絹糸が赤茶色に染まります。
⑥泥染め
テーチ木に染めた絹糸を泥田で染めます。奄美大島固有の泥に含まれる鉄分とテーチ木のタンニン酸が化学反応し絹糸が赤茶色からだんだん黒く染まっていきます。
⑦加工
新たに色を加工する場合はこの段階で一色一色すべて手作業で色を挿し加いきます。それから織る人絹糸を渡す前に最終的な糸の整理や準備を行います。
⑧製織
管に巻き取った緯糸を杼に通して、高機で織り上げる作業です。約7センチ織るごとに、経絣糸をゆるめ、針で経絣糸を1本1本調整し、経緯の絣を正確に合わせていきます。
⑨検査
織り上げられた本場奄美大島紬を本場奄美大島紬協同組合で検査する作業です。検査員が、長さ・織り幅・絣不揃い・色ムラ・織りキズ・量目不足など、24項目に及ぶ厳重なチェックを行い、合格不合格を決定します。

西郷隆盛の島妻「愛加那」ゆかりの織元

愛加那のギハ(銀箔、かんざし)を受け継ぐ

西郷隆盛が奄美大島で暮らした妻・愛加那のギハ(銀箔、かんざし)を3代受け継ぐ、遠縁に当たる牧雅彦さん。
言い伝えによると、ギハは鹿児島に戻った西郷が串木野の職人に作らせ、愛加那へ贈ったとさ れる。
牧さんは「西郷が手に取って触ったものと考えると感慨深い。どんな気持ちであげたのだろうか」
と思いをはせている。